2026/07/24 11:31



こんにちは。今日は、アーユルヴェーダの中でも特に長い歴史を持つオイルのひとつ、**ダンワンタリオイル(ダンワンタラムタイラム)**についてお話ししましょう。

生徒の皆さんの中には、「関節がこわばる」「肩や腰が重い」「季節の変わり目に体がだるい」といった相談を受けたことがある方も多いと思います。今日ご紹介するオイルは、そうした不調に古くから寄り添ってきた、アーユルヴェーダの代表的な処方のひとつです。


ダンワンタリという名前の由来


このオイルの名前は、アーユルヴェーダの伝説的な医神「ダンヴァンタリ」に由来します。ダンヴァンタリは、アーユルヴェーダの知恵をこの世にもたらしたとされる存在で、その名を冠していること自体が、このオイルがいかに重要視されてきたかを物語っています。

ダンワンタリオイルは、古典文献「アシュタンガ・フリダヤム」や「サハスラヨーガム」にも記載されている、由緒正しい処方です。ゴマ油をベースに、バラ(膀胱麻の一種)やアシュワガンダをはじめとする、20〜30種類ものハーブをじっくり煮出して作られます。


なぜ「ヴァータ」を整えるオイルなのか


アーユルヴェーダを学ぶ皆さんはご存知の通り、私たちの体は「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」という3つのエネルギー(ドーシャ)のバランスで成り立っていると考えられています。

ダンワンタリオイルは、この中でも特にヴァータ――乾燥・冷え・軽さ・動きの性質を持つエネルギー――が乱れたときに用いられる代表的なオイルです。ヴァータが乱れると、次のような状態が起こりやすくなると考えられています。

  • 1. 関節がポキポキ鳴る、こわばりを感じる
  • 2. 筋肉が痩せて、力が入りにくい
  • 3. 手足の冷えや乾燥
  • 4. 眠りが浅い、落ち着かない感覚がある
  • 5. 産後や大きな病気の後の、体力の低下


ダンワンタリオイルの温かく、しっとりとした性質(うんくと=油性)が、こうした「乾き」「冷え」「軽さ」に傾いたヴァータを、内側からじっくりと落ち着かせてくれると考えられています。


どんな場面で使われてきたか


伝統的に、ダンワンタリオイルは次のような場面で活用されてきました。

1. 全身オイルマッサージ(アビヤンガ) 毎日、または季節の変わり目の養生として、全身に温めたオイルをすり込むアビヤンガに使われます。特に秋から冬にかけての「ヴァータの季節」に好まれます。

2. 関節や筋肉のケア 関節まわりや、こわばりを感じる部分に円を描くようにマッサージすることで、局所的なケアとしても用いられます。

3. 産後ケア 出産を終えた女性の体は、ヴァータが乱れやすい時期とされ、伝統的に産後のケアオイルとしてもよく選ばれてきました。

4. 頭皮・髪のケア 頭皮に少量なじませることで、日々のヘアケアの一部として取り入れられることもあります。


使い方の基本(生徒さんへの目安)

  1. オイルの容器をお湯の入ったボウルに浸けて、人肌程度に温める
  2. 手のひらに適量を取り、体の中心から手足に向かって、長い動きでマッサージする
  3. 関節まわりは円を描くように、優しくなじませる
  4. 10〜15分ほど置いて、オイルが肌になじむのを待つ
  5. 刺激の少ない石鹸を使い、ぬるめのお湯で洗い流す


大切なポイント: アーユルヴェーダのオイルは、体質(プラクリティ)や体調によって合う・合わないがあります。特に発熱時、皮膚に傷や炎症がある場合、妊娠中の使用については、必ず経験豊富なアーユルヴェーダ講師や専門家に相談してから取り入れるよう、生徒の皆さんにもお伝えください。

まとめ:ダンワンタリオイルから学べること

ダンワンタリオイルは、単なる「マッサージオイル」ではなく、何百年もの間、人々の体と心を支えてきたアーユルヴェーダの知恵の結晶です。関節や筋肉、産後の体力低下といった、現代の私たちにも身近な悩みに、古典に基づいた養生法で寄り添うことができます。

日々の学びの中で、ぜひこのオイルの背景にある「ヴァータを整える」という考え方を、体感を通して味わってみてください。


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